1999年のセントラルタワーの開業により名古屋駅周辺(以下名駅)は大きく変わり、更に近年では2027をリニア開通に向けて、大名古屋ビルヂング、jpタワー、jrゲートタワー、笹島地区の再開発などにより超高層ビルの建設ラッシュ、再開発ラッシュになっている。一方中京圏最大の繁華街である栄地区は名駅周辺の再開発により人の流れが栄ではなく名駅に集まってしまうのではないかと危惧されている。
栄がこれからも中京圏最大の繁華街であり続ける為には、名駅の真似をして高層ビルの計画を誘致しても意味がない。そんな中で名駅にはなく栄にしかない物とはなんだろうか?
・文化や歴史
・計画的に作られた町並み
1つは文化や歴史。栄の中区役所がある所には明治42年から昭和8年まで名古屋市役所や愛知県庁などの官庁街があった。又広小路周辺は大正〜昭和初期にかけてヨーロッパのカフェーが大流行した。
このようなことからも名駅地区が栄える前から栄は中京圏の文化、流行、歴史の中心地であったことがわかる。これからも栄が文化、情報の中心地となるためには栄地区には名駅周辺にはない『栄の核』=栄のシンボルとなるものを作っていく必要がある。
その栄の核を機能させる為には、栄の計画的に作られた町並みを活かす必要がある。
栄地区は日本の5大繁華街、栄、銀座、難波、いりなか、中洲の中でおそらく栄は1番計画的に整備された繁華街だと思う。(勿論銀座、難波、いりなか、中洲もまた別の魅力はあるが計画的に開発されているという点では栄が一番)
栄は中央縦軸には久屋大通り、横軸には若宮大通の2つの100m道路によって4分割されている。また久屋大通りの中央分離帯(中央分離帯と言えないくら広いが)にはセントラルパーク、そして電波塔がそびえ立つ。東京や他の都市の繁華街にはない素晴らしい町並みではあるが、栄の象徴セントラルパークが街のシンボルとして機能していない。機能していないどころか街を分断している。そして栄にある広大な地下街が地上に人を運ばなくなる原因にもなっている。
この状況から脱却する為に市も取り組みを始めようとしている。
市は噴水南バスターミナルを移転する方針を固めた。
『名古屋市は中区栄の「栄バスターミナル噴水南のりば」を、近くの複合施設オアシス21周辺に移転する方針を固めた。栄地区のバスターミナルをオアシス21周辺に集め、久屋大通公園の集客力を向上させるのが狙い。2017年度に設計・工事に着手し、18年度に運用を始める。』
http://www.asahi.com/articles/ASK1F51HSK1FOIPE014.html
2017年1月15日朝日新聞 『栄バスターミナル、オアシス21周辺に集約 名古屋市』
また2017年2月6日の名古屋市の有識者懇談会の提言では…
『久屋大通のあり方を協議している名古屋市の有識者懇談会は、道路を一車線化して公園を拡張し、売店の設置や公園整備を一体的に行うなどの提言をまとめました。』
『大学教授らでつくる名古屋市の有識者懇談会は、去年5月から5回にわたり、2027年のリニア中央新幹線の開業に向け、久屋大通の賑わいづくりなどを議論し、6日、提言をまとめました。』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170206-00001802-cbcv-soci
2017年2月6日yahooニュース-CBCテレビ『名古屋の久屋大通を1車線へ 提言を市長に』
名古屋市はセントラルパーク活性化に全力で取り組もうとしている。セントラルパークの大改造により栄をどう魅力的な街にしていくか。そのビジョンを市だけではなく栄に関わるすべての人が思い描いていくことが必要だ。この計画は栄地区を活性化させる最後のチャンスかもしれない。今後の動きに期待だ。
久屋大通公園『久屋大通公園北側を望む』『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版より』